訪問看護計画書・報告書の正しい作成と管理|2026年改定対応
更新日:10月2日
計画書・報告書は「毎月作る書類」ではなくケアをつなぐ記録
訪問看護計画書と報告書は、書式を埋めること自体が目的ではありません。 主治医の指示、利用者の状態、訪問で行った看護、その評価をつなぎ、次の訪問や主治医との連携に使う書類です。 2026年6月の改定では様式・記載要領も更新されています。
1|2026年6月から新しい記載要領
厚生労働省は令和8年3月27日付で「訪問看護計画書等の記載要領等について」を発出し、6月1日から新しい取扱いとしています。 従前の令和6年通知は5月31日限りで廃止とされています。 現在の運用では令和8年通知を確認します。
2|計画書の役割
計画書は、 利用者の状態: 看護・リハビリテーションの目標: 療養上の課題: 支援内容: 評価: 等を整理します。 指示書の内容と矛盾しないようにします。
3|報告書の役割
報告書は、一定期間の訪問看護の実施状況や利用者の経過を主治医等へ伝える役割があります。 訪問記録をそのままコピーするのではなく、状態変化・実施内容・評価・今後の課題をまとめます。
4|計画書は指示書を見て作る

指示書の指示期間: 病状: 療養上の注意: 処置: 薬剤: リハビリ: 等を確認し、計画へ反映します。 指示書と計画で対象部位や頻度等が食い違っていないか確認します。
5|利用者の意向も確認する
医師の指示だけでなく、利用者・家族がどのような生活を望んでいるかを把握します。 「転倒しない」だけでなく、「自宅のトイレへ安全に行く」など生活上の目標へ落とします。
6|課題と支援内容を対応させる
課題: なぜ必要か: 観察: 援助: 指導: 評価方法: をつなげます。 抽象的な「状態観察」だけで終わらず、何を見るかを具体化します。
7|目標は評価できる形にする
「元気に過ごす」だけでは評価しづらくなります。 疼痛: 食事: 排泄: 服薬: 皮膚: 移動: 不安: 等、利用者の課題に合わせて具体化します。 数値化できない目標でも、観察できる状態を決めます。
8|訪問予定職種等を確認する
現行様式では、当該月に理学療法士等による訪問が予定されている場合の記載欄などがあります。 自事業所の実施体制に合わせ、必要項目を確認します。
9|2026年改定で計画書・報告書の押印欄が削除
令和8年度改定では、書面の場合の訪問看護計画書・訪問看護報告書について署名・押印を求めないこととし、様式例から押印欄が削除されています。 精神科訪問看護計画書・報告書も同様の見直しが示されています。
10|古いテンプレートを点検する
事業所独自様式を使っている場合も、現行の標準様式・記載要領と必要項目を照合します。 「昔から使っているから」で古い押印欄や不要項目を残していないか確認します。
11|日々の訪問記録から報告書へつなぐ

月末に記憶だけで報告書を作ると、重要な変化を落とす可能性があります。 訪問記録の中で、 状態変化: 医師連絡: 家族連絡: 緊急対応: 計画変更候補: を識別しやすくします。
12|コピー&ペーストを使う場合の注意
前月文章を複製する場合でも、 現在の状態: 今月の変化: 実際の実施: を確認します。 古い創部状態、以前の家族状況、終了した処置が残らないようにします。
13|AIで下書きする場合
AIへ渡す情報の範囲を確認し、個人情報・機密情報のルールに従います。 AIが作った要約は、 患者: 期間: 医師: 状態: 実施: 数字: を原記録と照合します。 AIを正式記録の最終判断者にしません。
14|計画変更が必要なタイミング
状態変化: 指示変更: 入退院: 主治医変更: 家族状況: サービス変更: 等があれば、現在の計画が適切か見直します。 変更理由と新しい目標・支援を記録します。
15|主治医への報告を形式だけにしない
今月の変化: 懸念: 医師へ確認したい点: 継続課題: を分かりやすく整理します。 毎月同じ定型文だけで重要な変化が埋もれないようにします。
16|他職種との共有
ケアマネジャー: リハ職: 薬剤師: 施設: 家族: 等と共有すべき情報を整理します。 個人情報保護と同意範囲を確認し、必要な情報を適切に共有します。

17|評価は「できた・できない」だけにしない
改善: 維持: 悪化: 新規課題: を分けます。 改善しなかった場合も、支援が不適切だったのか、病状上維持が目標なのかを考えます。
18|衛生材料等の管理
現行様式に関連する衛生材料等の項目は、利用者の処置内容と必要量を確認します。 指示・使用状況・在庫等が関係する場合は、事業所の運用に合わせて管理します。
19|記録の整合性
指示書: 計画書: 訪問記録: 報告書: 請求: で、日付・内容・訪問者・実施時間等に不自然な不一致がないか確認します。 一つの書類だけ正しくても十分ではありません。
20|保存期間
現行の指定訪問看護の運営基準では、訪問看護記録書、指示書、計画書、報告書等の所定記録を、その完結の日から2年間保存することとされています。 他制度・自治体・法人ルールでより長い保存が必要な場合はそちらも確認します。
21|電子保存時のルール
保存場所: アクセス権: ファイル名: 患者紐付け: バックアップ: 退職者権限: を決めます。 PDFを置くだけで、誰も探せない状態を避けます。
22|月末作成を分散する
毎週、 計画変更候補: 主治医報告事項: 未完記録: を確認すると、月末に一気に作る負担を減らせます。 書類作成時間だけでなく記載漏れを減らす目的です。
23|管理者レビュー
全件を毎回詳細に読むのが難しい場合、 状態変化あり: 新規: 退院後: 医療依存度高: 記載修正多: 等を優先してレビューします。 抽出基準を決めます。
24|新人チェックリスト
指示書を確認した: 計画と指示が一致: 目標が具体的: 訪問記録と報告が一致: 古い内容が残っていない: 必要な共有ができている: 保存場所が分かる: を確認します。
25|よくある失敗
前月全文コピー: 指示書と不一致: 目標が抽象的: 評価がない: 古い処置が残る: 報告書が訪問記録の羅列: 押印欄だけ旧様式: 保存場所が属人化: 一つずつ運用で修正します。
26|報告書作成前に月内の重要イベントを抽出する
入退院、急変、主治医連絡、転倒、薬変更、家族状況変化等を先に抽出し、その後で報告書をまとめます。日々の記録を最初から全部読み直す負担を減らせます。
27|計画変更の履歴を残す
旧目標、新目標、変更日、変更理由を追えるようにします。現在の計画だけ残して、なぜ変わったか分からない状態を避けます。
28|医師からの返答も記録へ戻す
報告・相談後に医師から新しい指示や助言があった場合、関係スタッフへ共有し、必要に応じて計画・指示書管理へ反映します。
29|定型文を使う場所と個別記載を分ける
基本的な挨拶・形式はテンプレート化し、利用者状態・評価・変化は個別に記載します。全文テンプレート化で患者差が消えないようにします。
30|月途中の計画変更を放置しない
状態変化が月途中に起きた場合、次月まで古い計画を使い続けるのではなく、変更が必要か確認します。変更日と理由を残します。
31|報告書の未確認事項を分ける
医師へ確認したい点、家族へ確認したい点、次月観察したい点を分けます。報告書作成時に不明点を推測で埋めないようにします。
32|計画書と報告書のテンプレートを年度ごとに確認する
制度改定時に様式例が変わることがあります。共有フォルダに旧版だけ残らないよう、現在使うテンプレートを明示します。
33|作成日と対象期間を取り違えない
報告書を翌月初めに作成する場合など、作成日と報告対象期間は別です。ファイル名・システム登録でも対象月が分かるようにします。
指示書管理を仕組み化するなら「シジベル」
計画書・報告書を作成するときも、前提となる訪問看護指示書が有効期間内か、更新手続きがどこまで進んでいるかを確認できる運用が重要です。「シジベル」では患者情報と指示書の期限、更新対応や依頼履歴をまとめて確認できるため、指示書管理を別の表やメモへ分散させたくない事業所の選択肢になります。

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まとめ
訪問看護計画書・報告書は、指示書→計画→訪問→評価→報告という一連の流れの中で作成します。 2026年改定後の様式・記載要領を確認し、日々の記録から自然に作れる運用へ整えることが重要です。
情報に関する注意事項
本記事は2026年9月時点の医療保険の指定訪問看護に関する公的資料を中心に整理しています。介護保険、精神科、個別加算、自治体運用等では追加条件がある場合があります。最新の通知・様式・所管機関の案内を確認してください。
参考情報
厚生労働省「訪問看護計画書等の記載要領等について」令和8年3月27日 https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001681763.pdf 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67729.html

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