訪問看護ステーションの指示書に関する重要な決まりとその解説
- 管理人
- 2 日前
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訪問看護を提供するためには、原則として主治医が交付する「訪問看護指示書」が必要です。
指示書は単なる提出書類ではありません。
利用者の病状や治療内容、実施する処置、療養上の注意点などを主治医と訪問看護ステーションの間で共有し、安全かつ適切な訪問看護を提供するための重要な根拠となる書類です。
一方で、指示書には有効期間があり、一般の指示書と特別指示書では扱いが異なります。
また、複数の医師から自由に指示書を受け取れるわけではありません。
この記事では、訪問看護ステーションが特に注意すべき指示書の決まりを、2026年7月27日時点の制度に基づいて解説します。
訪問看護は主治医の指示に基づいて提供する
訪問看護ステーションは、主治医から交付された訪問看護指示書と、その指示を踏まえて作成した訪問看護計画書に基づいて、訪問看護を提供します。
これは医療保険の訪問看護だけでなく、介護保険の訪問看護でも同様です。
介護保険を利用する場合は、主治医の指示に加えて、ケアマネジャーが作成する居宅サービス計画、いわゆるケアプランとの整合性も必要になります。
訪問看護ステーションが独自の判断だけで医療処置を開始したり、指示内容を変更したりすることはできません。
利用者の状態が変化し、現在の指示では対応が難しくなった場合には、速やかに主治医へ報告し、新たな指示を確認する必要があります。

訪問看護指示書を交付できる医師
医療保険による指定訪問看護の指示書を交付できるのは、原則として利用者の主治医である保険医療機関の保険医です。
介護老人保健施設または介護医療院の医師が指示書を交付できるのは、原則として利用者が施設を退所するときに限られます。
精神科訪問看護指示書については、精神科を標榜する保険医療機関において、精神科を担当する保険医が交付しなければなりません。
単に精神疾患の既往があるという理由だけで、他科の医師が精神科訪問看護指示書を交付できるわけではありません。
一般の訪問看護指示書の有効期間は最長6か月
一般の訪問看護指示書に記載できる有効期間は、最長6か月です。
実際の有効期間は必ず6か月になるわけではなく、利用者の病状や治療方針に応じて主治医が決定します。
1か月や3か月など、6か月より短い期間が指定されることもあります。
訪問看護ステーションが確認すべきなのは、指示書の作成日だけではなく、指示期間の開始日と終了日です。
指示書に記載された有効期間を過ぎた後は、その指示書を根拠として指定訪問看護を継続し、保険請求することはできません。
更新を依頼している途中であっても、前の指示書の有効期間が自動的に延長されることはありません。
更新手続きは期限前に行う
指示書の更新が必要な場合は、期限が切れる前に医療機関へ更新を依頼し、新しい指示書を受領できるように管理する必要があります。
ただし、医療機関への依頼が早すぎると、利用者の状態や次回診察日との関係で作成できないこともあります。
そのため、単に一律の日数で依頼するのではなく、次の事項を考慮して更新時期を設定することが重要です。
指示書の有効期限
利用者の次回受診日
医療機関が指示書を作成するために必要な期間
郵送や受け渡しにかかる期間
年末年始や大型連休などの休診日
指示書の期限を一覧表やカレンダーだけで管理している場合、更新依頼の漏れや確認の遅れが起こりやすいため、複数の職員が確認できる仕組みを整えることが必要です。

複数の医師から指示書を受けることは原則できない
利用者が複数の病気を持ち、複数の医療機関に通院していても、それぞれの医師から別々に訪問看護指示書を受け、同時に使用することは原則としてできません。
複数の傷病がある場合は、訪問看護を必要とする主な傷病の診療を担当している主治医から交付された指示書に基づいて訪問看護を行います。
例外として、同じ保険医療機関の同じ診療科に所属する複数の医師が、主治医として共同で診療を担当している場合は、そのうちのいずれかの医師が交付した指示書を使用できます。
他科の医師から治療内容や注意事項を確認する必要がある場合は、訪問看護ステーションが独自に複数の指示書を集めるのではなく、主治医を中心に診療情報を共有してもらうことが基本です。
特別訪問看護指示書とは
特別訪問看護指示書は、利用者の急性増悪、終末期、退院直後の状態変化などにより、通常よりも頻回な訪問看護が一時的に必要になった場合に、主治医が診療に基づいて交付する指示書です。
訪問看護ステーションが「毎日訪問した方がよい」と判断しただけでは、特別指示書を適用することはできません。
主治医が利用者を診療し、頻回な訪問看護の必要性を医学的に判断したうえで交付する必要があります。
特別指示の期間は最長14日間
特別訪問看護指示書に基づく期間は、指示があった日を1日目として、最長14日間です。
原則として、特別訪問看護指示書の交付は1人につき月1回までです。
ただし、次のいずれかに該当する利用者は、月2回まで交付の対象となります。
気管カニューレを使用している状態
真皮を越える褥瘡の状態
月2回交付できる場合でも、1枚の指示書の期間を14日より長くすることはできません。
それぞれの指示書について、医学的に頻回訪問が必要な期間が設定されます。
また、特別指示書が交付されたからといって、必ず毎日訪問しなければならないという意味ではありません。訪問回数や内容は、主治医の指示、利用者の状態、訪問看護計画に基づいて決定します。
精神科訪問看護にも専用の指示書がある
精神疾患に対する訪問看護を、精神科訪問看護基本療養費として提供する場合は、「精神科訪問看護指示書」が必要です。
精神科訪問看護指示書は、精神科を標榜する保険医療機関で精神科を担当する保険医が、精神科訪問看護の必要性を医学的に判断して交付します。
精神科以外の診療科にも通院している場合は、精神科の主治医が他科から提供された診療情報を確認したうえで、精神科訪問看護指示書を交付することができます。
精神状態の急性増悪などにより、一時的に頻回な精神科訪問看護が必要な場合には、「精神科特別訪問看護指示書」が交付されることがあります。
精神科特別訪問看護指示書についても、指示があった日から最長14日間で、交付は原則として月1回までです。
医療保険と介護保険のどちらを使うかは自由に選べない
訪問看護指示書があれば、医療保険と介護保険のどちらでも自由に請求できるわけではありません。
要介護または要支援の認定を受けている利用者は、原則として介護保険による訪問看護が優先されます。
ただし、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合や、特別訪問看護指示書の期間中などは、要介護・要支援者であっても医療保険による訪問看護の対象となることがあります。
実際にどちらの保険を適用するかは、利用者の疾病、状態、指示書の種類、訪問内容などによって決まります。
事業所や利用者が都合に合わせて任意に選択できるものではありません。
指示書を受け取ったときに確認すべき項目
訪問看護ステーションは、指示書を受け取った時点で、少なくとも次の内容を確認する必要があります。
1.利用者情報
氏名、生年月日、住所などが、ステーションに登録している利用者情報と一致しているか確認します。
同姓同名や旧姓、転居後の住所などによる取り違えにも注意が必要です。
2.指示期間
指示の開始日と終了日を確認します。
特に、前回の指示書との間に空白期間が生じていないか、期間が重複していないかを確認します。
3.主たる傷病名と病状
訪問看護の対象となる主な傷病名、現在の病状、治療状況が記載されているか確認します。
複数の医療機関を受診している場合は、どの医師が訪問看護に関する主治医なのかを明確にします。
4.療養上の指示と注意事項
実施する処置、医療機器の管理、服薬、リハビリテーション、褥瘡処置、カテーテル管理などについて、必要な指示が記載されているか確認します。
内容が不明確な場合は、推測して実施せず、主治医または医療機関へ確認します。
5.緊急時の連絡先
急変時に連絡する医療機関の電話番号などが記載されているか確認します。
訪問中に異常が発生してから連絡先を探すことがないよう、事前に連絡経路を整理しておくことが重要です。
6.医師の署名または記名・押印
紙で交付される訪問看護指示書では、医師の署名、または記名・押印が必要です。
電磁的方法で指示書や計画書等を授受する場合は、医療情報システムの安全管理に関するガイドラインなどに沿った安全な通信環境と、所定の電子署名等が必要になります。通常の電子メールに個人情報を添付して送受信すればよい、というものではありません。
指示書を受け取っただけでは管理は完了しない
訪問看護ステーションは、主治医の指示書を受け取った後、利用者の希望や心身の状態などを踏まえて訪問看護計画書を作成します。
訪問看護の実施後は、病状の経過、提供した看護、家族の状況、衛生材料の使用状況などを訪問看護報告書にまとめ、定期的に主治医へ提出しなければなりません。
つまり、指示書の管理は次の一連の業務として考える必要があります。
指示書の依頼・受領→ 内容の確認→ 訪問看護計画書の作成→ 計画に基づく訪問→ 主治医への報告→ 有効期限前の更新
指示書だけをファイルに保管していても、期限管理、計画書、報告書、主治医との連携が適切でなければ、十分な管理とはいえません。
指示書管理で起こりやすい問題
訪問看護ステーションでは、次のような問題が起こりやすくなります。
指示書の有効期限を見落とす
更新依頼をしたかどうか分からなくなる
医療機関から届いた指示書が事業所内で共有されない
指示書の種類や指示期間を誤って登録する
退院、入院、主治医変更などの情報が反映されない
更新依頼書を毎回一から作成している
担当者しか進捗状況を把握していない
紙、表計算ソフト、電子カルテなどに情報が分散する
利用者が少ないうちは手作業でも管理できますが、利用者数や医療機関数が増えるほど、個人の記憶や注意力だけに依存した管理は難しくなります。
指示書の期限切れは、訪問看護の提供や保険請求に影響するだけでなく、利用者に必要な看護を継続できない事態につながる可能性があります。
指示書の期限管理と更新業務を、もっと簡単に。「シジベル」
訪問看護ステーションの指示書管理を支援するサービスが、シジベルです。
シジベルでは、利用者ごとの指示書情報を一元管理し、期限が近づいた指示書を確認できます。
また、指示書を更新する際に必要となる医師宛ての依頼書作成など、訪問看護ステーションで日常的に発生する事務作業を効率化できます。
シジベルの主な機能
利用者情報の一元管理
指示書の種類と有効期間の管理
指示書の期限アラート
指示書画像・PDFの保存
医師宛て依頼書の作成
依頼書の作成履歴・送付履歴の管理
利用者情報の検索・絞り込み
ステーション内での情報共有
「誰が更新を依頼したのか分からない」「期限が近い利用者を毎回一覧表から探している」「依頼書を利用者ごとに手作業で作っている」といった業務上の負担を減らし、指示書管理を個人の記憶から、事業所全体で共有できる仕組みへ変えていきます。

指示書の期限管理・更新依頼を、もっと簡単に。
まとめ
訪問看護指示書は、訪問看護を安全に提供し、適切に保険請求するための重要な書類です。
特に重要なのは、次の点です。
訪問看護は主治医の指示に基づいて提供する
一般の指示書の有効期間は最長6か月
有効期限を過ぎた指示書を根拠に継続・算定はできない
複数の医師から指示書を受けることは原則できない
特別指示書は急性増悪などで一時的な頻回訪問が必要な場合に交付される
特別指示の期間は指示日から最長14日間
医療保険と介護保険は自由に選択できない
指示書、計画書、報告書を一体として管理する
指示書管理では、1件の見落としが訪問看護の継続や請求に影響することがあります。
期限を正しく把握し、更新依頼の進捗を共有し、主治医との連携を切れ目なく行える管理体制を整えることが重要です。

※本記事は2026年7月27日時点の厚生労働省告示・通知等に基づく一般的な制度解説です。個別の算定可否や保険適用は、利用者の状態、疾病、指示内容、最新の告示・通知等によって異なるため、必要に応じて地方厚生局、保険者、審査支払機関等へ確認してください。

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